【血糖値を上げるな】糖尿病は筋トレが予防&改善する!

体を大きくしたいからと何も考えずに大量に食べていたら何かしら健康を害する可能性が大!

高血圧、高血糖(糖尿病)、痛風、脂質異常、胃腸疾患など・・・そこから連鎖して新たな病気を併発する可能性だってあります。

病気になるために体を大きくしたいワケじゃないですよね。

「痩せ型だから体重を増やしたい」

「筋肉をつけて男らしいガッチリした体型になりたい」

ガチムチェンジを見ている人はそういう理由で体を大きくしたいと思っているはずです。

特に糖尿病は色々な合併症を引き起こす、今の医学では基本的に完治する事がない厄介な病気。

糖尿病になってしまったら、投薬治療や食事制限や運動などで血糖値を安定させて合併症や糖尿病自体を悪化させないようにする、ぐらいしかできないという事です。

糖尿病患者に限らず、血糖値がちょっと高めの人や正常値の人にも、予防という意味でも運動が効果的とされています。

そこでオススメしたい運動が筋トレ。

糖尿病には有酸素運動が適しているというイメージがありますが、なぜ筋トレがオススメなのかお話しましょう。

 

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体に吸収された糖の働きとは

私たち日本人は炭水化物が大好き。

白米はもちろん、うどんや蕎麦、ラーメンにパスタなど、炭水化物が多く含まれた食べ物が周りに溢れていますよね。

炭水化物とは、消化吸収されない『食物繊維』と、吸収されエネルギーになる『糖質』の総称です。

食べた炭水化物のうち糖質は小腸で吸収され、細胞のエネルギーとして使われるために血液中を流れる他、肝臓や筋肉で貯蔵されます。(グリコーゲンとかグルコースとか詳しい事は割愛)

肝臓や血液中にある糖は、各細胞でエネルギーとして使われたり、他のものにつくりかえられたりして利用されます。

筋肉に貯蔵された糖は、筋肉の収縮エネルギーとしてだけ使われ、それがなくなると血中の糖をエネルギーとして使います。

 

 

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血糖値が高くならないために筋トレがオススメの理由3つ

さて本題です。

なぜ筋トレが血糖値云々にオススメなのか、理由が3つあります。

 

理由① 筋トレで筋肉の糖の貯蔵量が増える

摂取した糖の多くは肝臓や筋肉に貯蔵されます。

肝臓に貯蔵された糖は体の各細胞のエネルギーとして使われますが、筋肉に貯蔵されている糖は筋肉のエネルギーとしてしか使われません。

薄々お気付きの人もいると思いますが、筋肉に糖が貯蔵されるという事は筋肉が大きければ大きいほど糖の貯蔵量は増えます。

筋肉は血液中にある糖を取り込んで貯蔵するので、筋肉を大きくして貯蔵量を増やせば血糖値は下がりやすくなるのです。

そして、大きな筋肉をつくるためには筋トレが必要不可欠ですが、筋トレで筋肉は普段の生活以上に収縮するために糖をエネルギーとしてガンガン消費します。

更に、筋肉内に貯蔵してあった糖がなくなると血液中の糖をエネルギーとして消費しは始めます。

血液中の糖をエネルギーとして消費するので、結果、血糖値が下がるのです。

『筋肉が小さい:筋肉が大きい=糖貯蔵量が少ない:糖貯蔵量が多い』

『運動なし:筋トレ=糖消費が少ない:糖消費が多い』

という事です。

有酸素運動でももちろん筋肉の収縮はしているので糖はエネルギーとして消費されますが、有酸素運動ではガンガン筋肉が肥大していくという事はありませんよね。

筋肉量が少なく運動歴がない人が有酸素運動をした場合ならある程度は筋肥大しますが、筋トレ程ではありません。

よって、糖をたくさん貯蔵できるようになり、糖を消費しやすくなる筋トレがオススメ、というワケです。

 

理由② 筋トレはインスリンの働きを強める

インスリンという言葉を一度は聞いた事があると思います。

分かりやすく簡単にお話しますが、インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値が上がると膵臓がそれを感知してインスリンを分泌します。

分泌されたインスリンは、タンパク質の合成や細胞の増殖を促したり、血液内から内臓や筋肉のエネルギーとなる糖を取り込む手助けをしたりします。

結果、血糖値が下がり安定するというワケです。

糖尿病は、このインスリンの分泌量が減ったり、働きが弱くなったりして高血糖状態が続く病気です。

このような↓研究結果があります。

インスリンが十分に分泌している人達(糖尿病を発症していない)をAグループとBグループに分け、どちらも35日間ベッドの上で過ごさせます。

Aグループは運動なし、Bグループはベッドの上で1日計60分の足の運動をさせ、それぞれの血糖値とインスリンの濃度を調べます。

その結果、Bグループは血糖値とインスリンの濃度が低かったのに対し、Aグループは血糖値とインスリンの濃度が高かった、という事です。

Aグループ(運動なし)Bグループ(運動あり)
血糖値高い低い
インスリン濃度高い低い

Bグループは毎日運動していたのですから血糖値が低かったのは分かりますが、Aグループは血糖値を下げるインスリンの濃度がBグループよりも高かったのにも関わらずなぜ血糖値が高かったのでしょうか。

インスリンは運動をしていないと働きが弱くなります。

という事は・・・運動量が少ない人はインスリンの働きが弱い=大量のインスリンを分泌して血糖値を下げようとするんですね。

以上の事より、運動はインスリンの働きを強める事ができる、と言えます。

毎日運動をしていたBグループはインスリンがしっかり働いていたのでインスリン濃度が低かったのです。

もうひとつ、運動強度で見る血糖値やインスリン抵抗性(※1)を調べた研究のお話をします。

こちらは2型糖尿患者を対象とした研究です。

運動強度を、低~中強度のグループ、高強度のグループの2つに分けて血糖値やインスリン抵抗性の変化を調べました。

その結果、高強度グループの方がHbA1c(※2)の減少が大きかった、とあります。

そしてインスリン抵抗性は、高強度グループでのみ有意に減少し、低~中強度グループでは有意に減少しなかった、と。

運動強度
低~中強度高強度
HbA1c少し減少大きく減少
インスリン抵抗性少し減少有意に減少

要するに、高強度グループの方がインスリンの働きが良くて血糖値が下がった、という研究結果が出たという事。

ウォーキングなどの有酸素運動は低~中強度の運動です。

筋トレは高強度の運動です。

ウォーキングでも筋トレでも血糖値を下げる事はできますが、筋トレの方がインスリンの働きを強くして血糖値を下げやすくなる、という事が言えるでしょう。

 

※1 インスリン抵抗性とは、インスリンが分泌されていても効果を発揮できない状態の事。要するに、インスリン抵抗性=インスリンの効きにくさという事。

※2 HbA1cとは、簡単に言うと過去1~2ヵ月の血糖値の状態を%で表したもの。健康診断に向けて短い期間で摂生して血糖値を下げたとしても、HbA1cを見れば1~2ヵ月前の不摂生が見て取れる、というワケです。

(引用:Resistance Exercise Intensity is Correlated with Attenuation of HbA1c and Insulin in Patients with Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-Analysis.)

 

理由③ 筋トレは天気に左右されない

おそらく、医師に運動を勧められている人や血糖値を気にしている人の多くは、有酸素運動のウォーキングをしていると思います。

ジムでランニングマシンを利用したり水中ウォーキングをしたり、自宅でランニングマシンを購入してウォーキングしている人もいると思いますが、大半の人は外でウォーキングをしているのではないでしょうか。

外でウォーキングをするという事は天気に左右されますよね。

雨や雪が降っていたり風が強かったりしたらウォーキングができないワケです。

1日2日天気が悪くても問題ないかもしれませんが、梅雨で毎日雨が降っていたり、雪が多く積もったりする所では長い期間ウォーキングできないかもしれません。

天気だけではなく、夏の強い日差しで体調悪化(熱中症・脱水症状原因の脳卒中や心筋梗塞)、冬の厳しい寒さで体調悪化(風邪・インフルエンザ・寒さによる血管収縮原因の脳卒中や心筋梗塞)と、健康のためのウォーキングが逆に体を壊してしまう可能性も少なからずあります。

その点、筋トレは室内でできるので天気に左右されずに習慣化する事ができます。

「天気が悪かったら筋トレしにジムに行くのも億劫じゃん!」

って言っちゃう人もいるでしょうけど、筋トレは必ずしもジムのマシンを使ってするというものではありません。

自宅で腹筋運動や腕立て伏せ、自重スクワットなど、体ひとつでできる筋トレがあります。

「ウォーキングなんてやめて筋トレだけにしてください」と言っているのでありません。

天気のイイ日は気分転換にもなりますし散歩がてらウォーキングもイイでしょう。

天気が悪い日や、出不精で外にあまり出たくない人は自宅で筋トレでもイイでしょう。

もちろん、天気に関係なくウォーキングと筋トレどちらもこなしてもイイわけです。(血糖値を考えるとコレが一番良いです)

ただ、天気に左右されずどこでもでき、筋肉がついてくるとモチベーションも上がる筋トレは習慣化しやすくオススメですよー、という事です。

 

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運動はインスリン抵抗性を低下させた状態を3日間持続させる

有酸素運動や筋トレをすると血糖値を下げて安定させる事ができるというお話をしましたが、その効果はその時限定ではありません。

運動によるインスリン抵抗性を低下させる(インスリンの効きを良くする)効果は3日間持続し、1週間でほぼ消失します。

要するに、週2~3回(2~3日に1回)運動をすれば血糖値を下げやすい・安定させやすい状態を維持できるという事です。

有酸素運動よりも血糖値を下げる効果が望める筋トレを週2~3回する事で糖尿病を予防できますし、発症者は血糖値を下げる事ができるので、この機会に筋トレを始めてみませんか?

 

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血糖値を下げるための筋トレの強度

筋トレが血糖値を下げるためにオススメという話をしてきましたが、ただ筋トレをすればイイというワケではなく、筋トレの強度を気にしなくてはなりません。

筋トレの負荷が大きければ大きいほど血糖値を下げる効果が強くなります。

要するに、筋肉が疲れる事なく余力を残したまま筋トレを終えるのではなく、力を出し切って終えるような筋トレをしましょうという事です。

余裕で何十回もできる負荷で筋トレをするより、歯を食いしばって10回ぐらいが限界の負荷で筋トレをした方が血糖値は下がりやすいのです。

(ただし、年齢や血圧などが気になる人は医師に相談を。)

 

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血糖値を下げるのに筋トレがオススメだが過信は禁物

血糖値を上げない・安定させるために筋トレをオススメしましたが、筋トレさえすれば今までどおりの食事をしてイイというワケではありません。

血糖値が高くなるような食事をしてきた結果、糖尿病を発症してしまった人はまず食事内容を見直さなければなりません。

血糖値が基準値内の人でも、この先、糖尿病になるような食生活を送っている人も同様です。

その上で筋トレをしましょう、という事です。

有酸素運動も筋トレも同時にした方がその効果は大きくなります。

ただ、有酸素運動も筋トレもするとなるとかなり意思の強い人じゃないとできませんし、何より時間に余裕がある人じゃないと難しいですよね。

ココまでの話を聞いて、有酸素運動と筋トレ、どちらか一方選ぶとしたらあなたはどちらを選びますか?

どちらか選んで実行するのも、どちらも実行するのも、どちらも実行しないのも、血糖値の行方は全て自分次第ですよ。

糖尿病を発症していてもしていなくても血糖値をコントロールする術を知っていて損はないぞ!ガハハ!

 

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